第16回東北オープンが、10月8、9日の両日、秋田県由利本荘市水林スポーツ公園において、プロ32名、アマ22名の参加により開催されました。
東北オープンといえば強風が名物となっていますが、今回は、初日は大雨、2日目は暴風という選手には気の毒なコンディションとなり、数々のドラマが生まれました。

初日、土砂降りの中の第1Rは、昨年よりも距離が短くなったにもかかわらず、テクニカルなホールが増え、アンダーパーが一人だけという、思いがけない結果となりました。
プロ部門では、オープンの松田英明選手が52、今回はオープンエントリーの藤井善行選手が54、白井一夫選手と川崎篤人選手はOBに嵌まり57とやや出遅れます。レディースは、佐藤幸子選手と柿本千枝子選手が62、65と同スコアで並び、兼弘母子と渡邉聡美選手との差を広げます。マスターは平林錠太郎選手が56、丹治憲明選手が57と続きますが、第2Rで、丹治選手が55で回りトップに。59、59とまとめた地元藤村成選手が2位に浮上、第1R65と出遅れた江原隆夫選手も55と、平林選手に1差に迫ります。グランドマスターは、水林初見参のワンダー高山選手が、準地元の横田一平選手を3差で抑えトップに立ち、阿久津美智彦選手、金子栄治選手、櫻井康生選手が一平選手と4差で並びます。シニアグランドマスターは、ワールドチャンピオン高野貞雄選手が58、58と安定したスコアでトップに立ち、大滝朗選手が3差、河合合伸浩選手が6差で続きます。

アマ部門では、アドバンスは秋田と岩手の争いとなり、ジュニアから繰り上がった高野駆選手が66,63でトップに立ち、コースディレクターの阿部良博選手が1差で続きます。アドバンスレディースは2人のエントリーとなり、1Rに夫のスコアを上回った伊東礼子選手が須田優子選手に7差を付けトップに立ちます。マスターは、原田邦夫選手が63、68と2位以下に5差をつけリードします。グランドマスターは、菊池茂樹選手が55、60と好スコアでまとめ、OBに嵌まった常勝白井芳一選手以下に大差を付けてリードしました。シニアグラマスでは、打矢隆一選手が齋藤武志選手に16差を付け独走態勢に入ります。

2日目は、雨から一転、時折ゴールが倒れるほどの強風の中、プロオープンでは、第3Rで白井選手が52と追い上げ、藤井選手も56とまとめ、トップの松田選手に1差までに迫りますが、準決勝では、松田選手が27と踏ん張り、藤井選手と4差、白井選手と8差とし、久々の優勝に王手をかけます。プロマスターでは、平林選手が落ち着いたプレイで、丹治選手と5差、藤村選手には7差、江原選手とは8差として決勝を迎えます。グランドマスターは、高山選手と一平選手が1差で競り合い、2R以降持ち直した伊東格選手が3位、4位タイで金子選手と阿久津選手が決勝進出となりました。シニアグランドマスターは高野選手が準決勝でやや崩れたものの、大滝選手と1差のトップ、6差で河合選手、8差で諸岡通容選手と続きます。レディースは、佐藤選手が、3R、準決勝で崩れた柿本選手に13差をつけてトップとなり、兼弘真由実選手、成望選手母子が同スコアで決勝へ進出します。

アマ決勝は、アドバンスでは、3R、決勝とやらかした駆選手が4位に後退し、自分で作ったコースに手を焼きながらも耐え続けた阿部選手が、うれしい初優勝を飾りました。2位には真坂正男選手、3位に黒渕正人選手が入りました。
アドバンスレディースは、伊東礼子選手が一度もトップを譲らず、一昨年のマスターレディース以来の優勝、須田選手が2位となりました。
マスターは、3Rまでトップの原田邦夫選手が決勝で崩れ、岩手の新鋭村上明光選手が逆転で初優勝。2位に万崎厚彦選手、原田選手が3位、菅原秀彦選手が4位となりました。
グランドマスターは、2位に14差で決勝を迎えた菊池選手が危なげなく逃げ切り、昨年に続く連覇を飾り、2位には白井選手、3位に五十嵐守選手、4位小坂輝夫選手となりました。シニアグランドマスターでは、打矢選手が3ラウンドまでの貯金を生かし、齋藤選手に4投差で逃げ切って優勝。齋藤選手が2位、畠山哲選手が3位、京都からはるばる参戦の田中昭男選手が4位となりました。

プロオープン決勝では、藤井選手と4投差でスタートした松田選手が強風に翻弄され、まさかの37・・・。24の白井選手、29の藤井選手にも逆転され、3位に終わり、大逆転で白井選手が3連覇を達成し、栄えあるチャンピオンTシャツを今年も手にしました。藤井選手が1差の2位、川崎選手が4位となりました。
レディース決勝は、佐藤選手が危なげなく逃げ切り、2013年大会以来3年ぶりの優勝。柿本選手が2位、親子対決を制した兼弘成望選手が3位、真由実選手が4位となりました。マスター決勝は、準決勝を27で乗り切った平林選手が、江原選手を振り切り、参戦6年目にしてうれしい初優勝を飾り、2位江原選手、3位藤村選手、終始リードしていた丹治選手は、準決勝以降振るわず残念な4位となりました。
グランドマスター決勝は、高山選手と一平選手が1差で競り合い、伊東選手、金子選手、阿久津選手が団子で続く5人決勝となりましたが、力強さが復活した高山選手がリードを広げ、6差で優勝、2位に一平選手、3位阿久津選手、4位伊東選手、5位金子選手となりました。
シニアグランドマスター決勝は、連続OBで崩れた高野選手が3位に下がり、29でまとめた大滝選手が逆転でこのクラス初優勝、2位諸岡選手、4位河合選手となりました。

例年どおり、簡単なようで難しい、バーディーが取れそうで取れない、という声が多く聞かれ、終わってみればトータルアンダーパーが一人も出なかった今大会ですが、皆さん、水林の不思議な魔力と魅力を存分に感じていただけたことと思います。
表彰式では、恒例の秋田の特産品が当たるお楽しみ抽選会も行われ、新米、地酒ほか秋田の名産をたくさんお持ち帰りいただきました。
各部門で優勝された皆様、おめでとうございました。
そして入賞者の皆様、残念ながら入賞できなかった皆様も来年はリベンジを期して、また東北オープンへお越し下さいますよう、スタッフ一同、心からお待ちしております。

最後に、今大会の開催にあたりまして御協力くださいました岩手県協会の皆様、JPDGA、由利本荘市教育委員会、ほか関係者の皆様、ご参加いただいた選手の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

第16回東北オープントーナメントディレクター
秋田県ディスクゴルフ協会副会長 大 滝  朗