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第18回清里の森オープンは、山梨県北杜市・清里の森ディスクゴルフコースにおいて、5月20日(土)、21日(日)に開催されました。

本大会よりアマチュア部門も2dayの開催となり、プロ部門35名(3名DNS)、アマチュア部門35名、合計70名で競技が行われました。前回第17回大会とのプロ・アマ構成比を比較すると、プロは65%から50%へ減少、アマは35%から50%へ上昇しています。前回大会から連続の参加率は、プロは49%、アマは64%。また今回初参加又は再参加者の割合は、プロ18%、アマ23%でした。いずれもアマチュア部門の参加者の割合が大きく伸びています。大会直前まで開催されていたJapan Openの影響もあるかと思いますが、最近のアマチュア選手層の増加トレンドが清里の森でも確認できたと思います。
清里の森オープンの最大の特徴は、毎年同じコース、プロ・アマ同じコースで競技することです。過去の自分のスコアに挑戦できたり、プロ・アマ混合のスコア順でラウンドしたり、他の大会では体験できない魅力があります。2009年に18Hのコースを設定(それ以前は12H×5R)して以来12大会同じコースで競技してきましたが、清里の森にBBQパーク等の施設増設がありましたので、一部コースのマイナーチェンジを行いました。8番Hの池を望む美しい景観のホールや9番Hのラインのない白樺林を抜けるホール等を新設し、さらに魅力ある楽しいコースに生まれ変わったPar55、平均距離81.4mのコースで第18回大会を行いました。

●アマチュア部門
【MA:アドバンスクラス】
アドバンスクラスは過去最多の21名もの競技者が集い、熱気とエネルギーに溢れディスクゴルフを真に楽しんでいる選手の姿が、今大会一番の印象として残りました。その熱い競技者達の中で、初優勝を遂げたのが田中伸幸選手でした。1R目は61(+6)で8位と出遅れましが、2R目55、3R目56で予選を172(+7)にまとめ一気に逆転7人抜きでトップに立ち、決勝ラウンドもそのままの勢いで見事に涙の初優勝を掴み取り、清里の森新コースのアマチュアチャンピオンになりました。予選3Rのスコアはプロオープンでも6位の好スコア、今後はプロ部門への挑戦も期待されます。2位には、予選終了時点では4位で2位と3打差でしたが、決勝9Hでトップスコア26(-1)を記録し2人を逆転した登玉健太選手が入賞。3位には、初日57、57と安定的なスコアでトップに立ちましたが、惜しくも2日目のスコアに苦しんだ羽山雄程選手が入賞。4位は、予選3R目にアマ唯一のアンダーパー53(-2)を記録した荒波恒平選手が入賞。5位には、プロでも3名しかいない8番Hで見事バーディをとった加藤善選手が入賞。6位にはタイで、廣瀬光選手と三枝尚樹選手が入賞しました。
なお、PDGAプロ登録のAlan Gries選手がオープン参加でラウンドしました。今後はJPDGA公式戦プロ部門の参戦も期待されます。

【FA:アドバンスレディスクラス】
アドバンスレディスは、10名で競技。予選3R終了時点で優勝の行方は3Rとも60台のスコアでまとめた2名に絞られました。予選1位は189の阿部春菜選手、2位につけたのは3打差192の荒波朋佳選手。決勝9Hの結果、1打ずつじわじわと縮め30の圧倒的スコアで3打差を一気に逆転した荒波朋佳選手が1打差で初優勝に輝きました。2位には阿部春菜選手が甘んじましたが、予選3Rのスコアはプロレディスのファイナリストに匹敵する安定的なラウンドでした。予選3位、予選4位の選手がそのまま順位をキープし、3位は北原朋子選手、4位は深野愛選手が入賞しました。
【MA60:シニアグランドマスタークラス】
シニアグランドマスタークラスは4名で競技し、上位2名が表彰されました。初日2Rの結果、首位でリードしたのが竹島眞吾選手、2位に1打差の大内洋志選手がつけました。しかし初日の接戦も3R目で14打差がつき、ほぼ勝負が決まりました。全ラウンドでトップスコアを記録した竹島眞吾選手が優勝に輝き、2位に大内洋志選手が入賞しました。

●プロ部門
【MPO:オープンクラス】
オープンクラスは11名のエントリーで1名DNS、10名での競技となりました。大会前日まで開催されたJOのため昨年の20名から参加者は減少しましたが、〝我らがマナブ“ 梶山学選手の清里の森オープン初参戦は大きなインパクトをもたらしました。ラウンド終了後には梶山選手の周りにプロ・アマ問わず選手が集まっている光景が見られ、彼からの技術移転アドバイスで目から鱗の気づきがあり、しかもその場の実戦練習でそれができてしまう体験をした選手も少なくなかったでしょう。全国各地で良く見られる光景ですが、大会の結果だけではない選手のレベルUPに大きな貢献があったと思います。
競技の結果は、予選ラウンドで全て40台をマークし決勝を含め-36とバーディを積み上げ一人異次元のスコアで2位と26打差で梶山学選手が圧勝しました。
初日2Rが終わり、勝負の注目は2位争いと賞金圏内5位争いになりました。2位には106(-4)で三浦奏選手、3位に3打差で109(-1)の吉鶴真一選手、4位は114(+4)の田中佑樹選手、5位に115(+5)の金谷正樹選手が入賞圏内につけました。しかし3R目に大きな動きが、三浦選手が59のスコアで3位タイに後退、吉鶴選手は51で逆転の単独2位に、田中選手は51で8打差を追いついて3位タイに上昇、金谷選手は55でそのまま5位を維持しました。
準決勝9Hでは-6アンダーを記録した三浦選手が単独3位に浮上し田中選手が4位で決勝進出を決め、金谷選手は5位を確保し賞金獲得を決めました。
上位4人で特設6H、Par22、Av.130.3mの決勝ラウンドが行われ、結果順位に変更はありませんでしたが、1位梶山選手は17(-4)、2位吉鶴選手は20(-2)、3位三浦選手も20(-2)、4位田中選手は19(-3)と全選手がアンダーパーで見ごたえのあるプレイを魅せてくれました。
優勝した梶山選手は、初参加で清里の森新コースの全ホールでバーディをとり、予選3Rの平均は45.67と過去Av.ランキング1位に、18H歴代ベストスコア43を記録しました。現状この記録を上回ることができる日本人プレイヤーは本人以外にはいないと思いますが、今後清里の森コースでこの記録を上回る第2、第3の“マナブ”の出現を期待したいと思います。我こそはと思った方は、清里の森コースの“マナブ記録”に挑戦に来てください!

【FPO:レディスクラス】
レディスクラスは9名のエントリーで1名DNSのため8名での競技となり、上位4名が表彰されました。昨年から連続参加している選手が8名中6名でしたが、今年東京オープンプロレディスで優勝した兼弘成望選手や昨年本大会アドバンスレディスで優勝した佐俣和木選手がプロ部門に挑戦し、この二人の若手がベテラン相手にどこまで活躍できるかが注目されました。
予選3Rでトップに立ったのは3Rとも60以下の安定したスコア175(+10)でまとめた昨年優勝の高木里香選手。1R目に68(+13)で7位と出遅れましたがその後54、56と爆発的なスコアで5人抜きを見せた中川原友香選手が178(+13)でトップと3打差2位に急上昇。3位は2位から9打差の187(+22)で兼弘選手。4位は1打差188(+23)で昨年準優勝の渡部麻里選手が続き、打数差からトップ4はこの4人に絞られ、優勝争いと3位争いに注目が集まりました。
準決勝9Hの結果トップ4の順位に変わりはありませんでしたが、特筆すべきは、28(Par)のベストスコアで5位に上昇した佐俣選手の実力と今後の可能性に期待が高まります。
特設6H、Par21、Av.118.0mの決勝ラウンドの結果、優勝は227(+13)で最後まで安定的なプレイを続けた高木選手が大会2連覇を達成。2位は231(+17)の中川原選手が入賞。決勝ラウンド20(-1)のベストスコアを記録した渡部選手が3打差を逆転し242(+28)で3位入賞。4位には244(+30)で兼弘選手が入賞しました。トップ3メンバーは去年と同じ、ベテランはやはり強かった!を印象付けました。

【MP50:グランドマスタークラス】
GMクラスは7名のエントリーで1名DNSのため6名での競技となり、上位3名が表彰されました。予選の中で唯一54(-1)のアンダーパーを記録し、すべてのラウンドで安定的にほぼトップスコアを積み重ねた大畠浩明選手が、一度もトップを譲ることなく2位に10打差をつけ218(+4)のスコアで圧勝、清里の森オープンMP50で初優勝に輝きました。
一方で3位までの入賞争いは熾烈でした。3R終了時点で江原隆夫選手が2位、1打差で末房誠選手と井上亨選手が3位タイ、準決終了時点では井上選手が単独2位、1打差で末房選手が3位、更に1打差で江原選手が4位、とラウンド毎に順位が変わる大混戦で決勝ラウンドへ入りました。
特設6H、Par21、Av.118.0mの決勝ラウンドの結果、大畠選手とともに19(-2)のトップスコアを記録した末房選手が逆転し228(+14)で2位入賞。21(Par)で回った江原選手も逆転し231(+17)で3位に入賞しました。井上選手は惜しくも1打及ばず4位で入賞を逃しました。

【MP60:シニアGMクラス】
シニアGMクラスは過去最多の11名で競技が行われ、上位4位が表彰されました。このクラスも“マナブ”レベルの圧勝劇でした。全てのラウンドでアンダーパーを記録し、準決勝終了時点ではオープンクラスで2位となるハイレベルなスコアで、決勝Rでも唯一アンダーパーで回り2位と16打の大差をつけた白井一夫選手が203(-11)のスコアで昨年に続き2連覇を達成しました。1R目に「どうしたの?」と周りが心配するほどのスコア64(+9)をたたき10位タイからスタートした石原博之選手でしたが、2R目以降本来の実力で挽回が始まり3R目51(-4)と準決勝24(-4)のトップスコアで一気に8人をゴボウ抜き、トータル219(+5)のスコアで石原選手が2位に入賞しました。3位には、予選3Rとも50台のスコアで予選2位につけ、準決で石原選手の追い上げを許しましたが、終始安定的なゴルフを見せた金子栄治選手が、222(+8)の好スコアで入賞しました。予選3ラウンドではどこかで60オーバーの大たたきをする選手が多い中、予選をAv.58.6で回り他の選手より安定感があった工藤賢治選手が決勝ラウンドに進出し、231(+13)で4位に入賞しました。

毎年恒例ですが、大会会場をご提供頂いている清里の森管理公社様よりご協賛を頂き、各クラス優勝者へ地元ワインが副賞として贈られました。

●ニアピン賞
毎年18番Hで行っていたニアピン賞は、今大会から12番H(45m)で行いました。プロ・アマ共通の予選1R、2R、3Rの計3回ニアピンが競われ、次の3名が〝ニアピンお楽しみ袋″をゲットしました。
1R目:茅原翔選手(MPO) 1m
2R目:白井一夫選手(MP60) 1.5㎝
3R目:高木里香選手(FPO) 40㎝
今回は全員プロ部門が獲得しましたが、来年はアマチュア部門の皆さんも頑張ってください!

●第18回大会アベレージ賞
第18回大会のアベレージ賞は、第17回参加者は前回予選平均より今回予選平均が上回った選手を、前回不参加の方は、予選1Rと2Rの平均より3Rのスコアが上回った選手を発表し、最も頑張った選手から順番に副賞を選ぶ権利が与えられました。
トップは7.33UPした丸島威尚選手(MA)、次は7.00UPの小松崎忍選手(MA)、6.33UPの金子栄治選手(MP60)、6.00UPの田中佑樹選手(MPO)、5.67UPの加藤善選手(MA)と続き、合計33名の選手に副賞を選んでいただきました。過去の大会参加賞の折畳みチェアーが梶山学の物とプレミアを付けたらあっと言う間になくなっていましたが、二つの内の一つは筆者の物でした(笑)。
来年以降もアベレージ賞を継続します。今回大会の予選ラウンドの平均を個人アベレージとし、毎年「前回の自分にチャレンジ!」をテーマに、個人アベレージを上回った方を表彰いたします。

第18回大会は、清里の森会場施設の増設等によるコースの変更が必要であったこと、コーススタッフの確保が困難であること等を踏まえ、4ホールの新設やOBエリアの緩和等でより楽しくラウンドできるように、マンダトリー設定やティやゴール位置の見直し変更で安全性の向上及びコーススタッフを最小限に抑えられるように、コース設定を行ったつもりです。今後も皆様のご意見を参考にしながら、来年もまた参加したいと思って頂けてより楽しんで頂けるコース設定、大会づくりを目指してまいります。

最後に、この度清里の森オープン開催において、素晴らしい会場の提供や優勝者副賞ワイン等のご協賛を頂いた清里の森管理公社様、ショップの開設とご協賛を頂いたClub Jr.様、準決勝・決勝ラウンドの撮影をして頂いたD.ch様、景品のご提供を頂いた㈱株式会社バードエイト 鳥八 下丸子店様に深く感謝申し上げます。

坂井秀勝