第4回ディスクゴルフ日本シリーズ 大会所感
Update:2025/12/17

第4回目となるディスクゴルフ日本シリーズは、恒例の宇都宮市清原3号緑地にて、これまで行っていた7月の猛暑を回避し、秋の深まりを感じる11月22日~24日の開催となりました。
まず、会場をご提供いただいた宇都宮市、協賛各社、本大会の運営に多大なご協力をいただいた栃木県ディスクゴルフ協会様、及び全国・海外から参加された選手の皆様に御礼を申し上げます。
「日本シリーズ」の名に相応しく、全国の選抜大会を勝ち抜いたMA1、FA1選手を含むMPO、FPO、MP50部門に新たにFPO50部門を加え、総勢47名での熱戦が繰り広げられました。
今回は初の試みとしてティータイム制を採用しましたが、すでに日本選手権にて経験済みの選手も多く、3日間を通じてトラブルもなく実施できて何よりです。ティータイム制は選手にとっても運営側にとってもメリットが多いため、おそらく今後の公式戦においても主流になって行くことでしょう。
さて、このティータイム制に伴い、これまでのアウトコース(1~9番)とインコース(10番~18番)の順番を逆にしました。また、川崎篤人コースディレクターによってホール毎の大幅な見直しが行われ、パー設定の変更やOBエリアをハザード扱いにすることで、今大会ではより正確なホールレーティングやスムーズなラウンド進行となりました。
ただ、コース内の見事な紅葉がこの時期ならではの開催に色を添えていたものの、散り積もった枯葉によるディスクのロストやOBラインが不明瞭になってしまう事態については誤算でした。公式練習中は、ロスト続出で捜索に時間がかかった選手も多く見受けられたましたが、スタート前のスタッフの枯葉除去やスポッターの追加配置によって、ラウンド中は難を逃れたようで胸を撫で下ろしています。
(ラウンドレポート)
11月21日:公式練習日
午前中にコース設営も終わり、予定通り13時から公式練習が開始されました。
近くの小学校の下校時間と重なるため、10、11、17、18番ホールは終日練習禁止としました。宇都宮市内からLRT(路面電車)でのアクセスが便利になったことで利用された選手も多かったようです。一部のホールでは、散り積もった枯葉でロストが続出しましたが、すべて回収されたようでした。
22日:予選第1ラウンド
早朝は冷え込んだものの、ラウンド開始の9時頃からはこの時期にしては暖かく感じられる陽気に。第1ラウンドのティータイムとパーティーは、日本選手権に習って事前アンケートによる希望時間帯に振り分けて行われました。
ちなみに、スタート前の練習については、アウトコースとインコースが明確に分かれた清原緑地ならではのレイアウトを活かし、最初のパーティが9番を終了するまで10~18番ホールを開放しました。
まず、MPOは、梶山学選手が順当にアンダーパーを重ね、9バーディ、2ボギーの7アンダー、ラウンドレーティング1037で他の選手を先行します。2位は三浦奏選手が4アンダー、3位にシメル航選手が1アンダーで追従。選抜アマチュア枠で参加した地元の山口太陽選手が1オーバー6位タイと健闘します。
FPOでは、今や若手のホープ・荒波朋佳選手が1オーバーにまとめてフィニッシュ。渡部麻理選手と深野愛選手が共に3打差で続きます。
MPO50は、白井一夫選手が早くも猛ダッシュ。15アンダー、ラウンドレーティング1052というビックスコアを叩き出します。2位に前大会の優勝者の原孝夫選手が10アンダー、3位に実広泰史選手が8アンダーと今大会も混戦を予感させる展開となりました。
FPO50は、2名の参加でしたが、佐藤幸子選手と関口成子選手が共に譲らず2オーバーで並びます。
23日:予選第2ラウンド
午前中は曇り空のせいか気温があまり上がらず、やや肌寒く感じられました。
それでもディスクゴルフにはまったく問題ないコンディション。
MPOは、梶山学選手が8バーディ、1イーグル、2ボギーの8アンダー、ラウンドレーティング1047で他の選手を引き離しにかかります。圧巻だったのは、ローラーを2回駆使した9番ホール・パー5。2投目のローラーはベタピンとなり、楽々イーグル。近くで観ていたスタッフからも歓声が上がりました。三浦奏選手が3アンダーで2位、シメル航選手が2アンダーで3位をキープ、又吉楓選手が2アンダーをマークして4位に浮上しました。
FPOは、荒波朋佳選手が安定したプレーを続け、2アンダーで首位をキープ。渡部麻理選手が1アンダーで4投差に迫る中、深野愛選手は6オーバーとやや遅れを取ります。
MPO50は、昨日に比べて全体的にスコアがやや低調気味の中、白井一夫選手が3アンダー、原孝夫選手が4アンダーで2位をキープ、首位と4投差に迫ります。川崎篤人選手が5アンダーをマークして実広泰史選手と共に3位に浮上。
藤井善行選手が2アンダーで上位を窺う位置に迫り、MPO50は前回同様に最後まで目が離せない展開となりました。
FPO50は、関口成子選手が6オーバー、佐藤幸子選手が9オーバーで、3投差と僅差。
24日:決勝第3ラウンド
最終日は再び秋晴れの絶好のコンディションとなりました。
MPOは、梶山学選手が3日間の独走状態を譲らず大会4連覇を達成。大勢のギャラリーが見守る中、12番ホールのイーグルパットは圧巻でした。6アンダーをマークしたシメル航選手が三浦奏選手を交わして2位に浮上、三浦奏選手は複数のダブルボギーが響いて3位に後退。イーブンでまとめた大野雅史選手が4位となりました。
特筆すべきは、最終ラウンドをイーブンで周ってMPOのベスト10入り、山口太陽選手を大差で逆転してローアマチュアMA1に輝いた栖原希維選手の活躍。
将来が楽しみな小学6年生です!
FPOは、荒波朋佳選手が唯一のアンダースコアをマークして優勝。渡部麻理選手が2位、深野愛選手が3位、北原美保子選手が4位となりました。
MPO50は、白井一夫選手が7アンダーをマーク、終始安定したスコアで逃げ切りました。この日9アンダーでトップを5投差まで追い上げた実広泰史選手が原孝夫選手に追いつき2位タイに。8アンダーまで追い上げた藤井善行選手が4位となりました。
FPO50は、14番ホールまで一進一退の攻防が繰り広げられる中、15番でのパーセーブが明暗を分け、関口成子選手が1投差で優勝しました。
ローアマチュアは、MA1栖原希維選手(MPO9位)、FA1荒波朋佳選手選手(FPO1位)に決定しました。
優勝及び入賞されたそれぞれの選手には、本部前にて大会記念の盾が授与されました。
入賞された選手の皆さん、おめでとうございます。また、参加された全ての選手の皆さん、大変お疲れ様でした。
(雑感)
すでにご存知の方も多いと思いますが、2026年シーズンよりディスクゴルフ日本シリーズはNTからABT-Aに変更となります。清原3号緑地での開催はいったん幕を降ろしますが、この名称とメモリアル・トロフィーは存続されますので、また全国の何処かで開催されることを切に祈っております。
最後に、4年間に渡ってご協力いただいた栃木県ディスクゴルフ協会様、六本木様を始めとするボランティア有志の方々、コースディレクター川崎篤人様に重ねて感謝いたします。
文責:トーナメントディレクター諸岡通容

