■CD所感「10番ホールに秘める課題」
去年と今年、スポッターとして11番アイランドホールに2日間立って私が感じたことは、「レベルが上がっている!」でした。
それを実感した去年との大きな違いは、私が上でハンドキャッチした回数が、両手以上から片手以内に納まったことです。(笑)去年のCD所感でも紹介しましたが、全体のコースレイアウトに秘めた課題は、ストレートスローとその距離感です。
多くの参加者の皆さんがストレートスローと距離感を身に着け、2025年の東京オープンに戻って来られたことを大変うれしく感じました。
そんな中で、私が11番でスポッターをしながらプレーを拝見し、改めて課題を感じたホールが10番ホールです。
その課題というのは、プロでもアマでも多くの右利きプレーヤーが、マンダトリーミスを避けるためかハイザー気味に投げたディスクが、11番ホール側まで来てしまう選手が非常に多かったことです。11番側からのアプローチはブッシュの陰になるため難しくなり、ボギーになるプレーヤーがたくさんいました。
第31回大会と第32回大会を比べてみても、プロ部門は3.35から3.48に、アマ部門は4.22から4.34にスタッツが下がっています。このホールでもスコアメイクには、「ストレート」が基本です。
マンダトリーの先にストレートで距離を合わせて置く、そしてストレートでバスケットにアプローチする。
これができれば無駄にスコアを落とすことを避けることができますね。
今年MPOを制した石原雅敏選手も、最初からパー狙いでマンダトリー先のポイントに確実に置く戦術だったと話していました。プレイラインが曲がっているのであれば、そこを2本のストレートラインに分けてスコアメイクする!
結果や勝負を左右する大切な意識ですね!
但し、コースデザイナーが意図した10番ホールのプレイラインは、2本のストレートラインではありません。
実は、東京オリンピックの為東京オープン開催が中断されて以降、再開時に一番最初に決めたホールがこの10番ホールでした。
私はこのホールを見つけて初めてそのティを決めた時、そのラインの美しさと難易度に興奮したことを覚えてます。
一方でこのラインを投げ切れるプレーヤーは何人いるだろうか?とも思いました。
右利きの多くのプレーヤーは、サイドスローをイメージするかもしれません。
それは私のイメージしたラインではありませんので、サイド封じのためにOBラインを私のイメージしたライン沿いに設けました。
私が秘めたこのホールの課題は、右利きバックハンドのアンハイS字ラインです。ちょうど風路のライン通りのスローです。今やトッププレーヤーの一人、坂井佑太朗選手は、
「10が一番難しいです!林間コースに行けばあのラインはありますよね!」とコースの印象を答えていました。
10ホールのバーディ数は、プロ部門で31回大会5回、32回大会は2回、アマ部門はいまだ0回です。
プロ部門のプレーヤーの皆さんには、是非このラインを身に着け、2026年の東京オープンに戻って来て欲しいと思います。
東京オープンは、参加者の皆さんのスキルUPにつながるように様々な課題をイメージしコース設定していますが、
それよりなによりも、最も大切なのはラウンドして楽しいかどうかです。
一昨年私を一番喜ばせてくれた感想を言って下さったプレーヤーさんから、「今年も遊園地を満喫中ですよ!」の言葉をいただきました。他の参加者の皆様も「この遊園地!」を楽しめてもらえていたら幸いです。
コースデザイン担当坂井秀勝